全国海洋散骨船協会

海洋散骨の進め方・手続き

海洋散骨は、まだまだ一般的な葬送ではないだけに進め方や手続きは分からないことも多いでしょう。ここでは、業者に依頼して海洋散骨する場合の進め方や手続きと、自分で海洋散骨する場合の進め方や手続きについて、また自分で海洋散骨するのが難しい理由についても解説します。

海洋散骨の進め方と必要な手続き

海洋散骨にはマナーやルールがあるため、プロの業者に依頼するのが一般的です。

トラブルを回避できるだけでなく、心身ともにゆとりを持って葬送できます。

海洋散骨に必要な法的な手続きはありません。

一般的な進め方と必要な手続きは以下の通りです。

1. ご相談・生前申込み

海洋散骨が気になったら、まずは業者にご相談を。

海洋散骨を検討する際には、ご家族や親族に理解してもらう必要があります。

ご家族や親族にサービスの説明をしてくれる業者もあるので、一度相談してみるとよいでしょう。

ご家族や親族の同意を得られれば、遺骨のすべてを散骨するのか、一部は留めておくのかなど、細かい点も決めます。

遺骨の一部を残す「手元供養」をする場合には、誰に管理を託すのかも事前に話し合っておくとよいでしょう。

2.お申し込み・契約

海洋散骨の決意が固まったら、プランのお申し込み・契約を行います。

海洋散骨には主に以下の3つのプランが用意されていることが多いです。

・家族単独で行う「貸切プラン」

・複数の遺族が合同で行う「合同プラン」

・業者にすべて委託する「代理プラン」

プランには、粉骨や散骨証明書の発行などが含まれる場合が多いものの、業者により異なるので事前に確認をしてください。

お申し込みの際には、所定の申込書や「火葬許可証」「埋葬許可証」「改葬許可証」などの書類提出が求められる場合もあります。その際には、自治体から各書類を受け取ってください。

3. 遺骨の受け渡し・粉骨

遺骨の受け渡しを行います。

業者が粉骨を行い、遺骨が入っていた骨壺や付属品は廃棄してくれる場合が多いでしょう。

4. 出航の日程調整

貸切プランや合同プランを選んだ場合は、海洋散骨の実施日を担当者と調整し、決定します。

5. 出航

貸切プランや合同プランを選んだ場合、指定場所に集合し、乗船、出航します。

散骨当日は、観光客や地元民に配慮し、喪服の着用は避け、普段着を着て参加するのが一般的です。

代理プランを選んだ場合、業者による代理散骨が行われます。

業者の中には、実施している風景を写真におさめる、乗船できない遺族に電話をかけるなどのサービスを含む業者もあります。

6.散骨する

故人の遺骨は、水溶性の袋に入れられ、海へ返されるのが一般的です。

このとき、お花や故人が好きだったお酒などを海へ奉げ、黙祷・お見送りを行います。

お花やお酒などの費用も含まれているプランもあります。

7. 帰航

シンプルなプランであれば、以上が海洋散骨の大まかな流れです。

プランによっては、船上で食事やセレモニーが行われる場合もあります。

8. 海洋散骨後のご連絡(代理プランのみ)

業者がすべて代行してくれるプランの場合、海洋散骨が終了した際には担当者から完了の連絡が入ります。

9. 散骨証明書の発行・お受け取り

多くの場合、後日、散骨証明書が発行されます。

散骨ポイントを記録した海図を一緒に送ってくれたり、当日の風景を撮影した写真を送ってくれたりする場合もあるようです。

海洋散骨は、業者に依頼すれば自分でしなければならないことは、多くはありません。

大切な人を亡くし、精神的にも体力的にも辛い時期。

故人を偲ぶ時間を十分にとるためにも、まとめて業者に依頼する方が多いものです。

自分で海洋散骨をするのは大変!進め方と手続き

海洋散骨は自分で行うことも不可能ではありません。

ただし粉骨から散骨まですべて自分で行うことも不可能ではないものの、現実的ではありません。

散骨するには、粉骨が必須。

粉骨は、遺骨を一片が約2mm以下の粉末状にする必要があります。

自分で粉骨するのは精神的にも辛いものです。

すべてを自分で行いたいという人は少ないのが実情です。

ここでは、比較のために自分で行う場合の進め方をご紹介します。

1. 祭祀承継者を確認する

遺骨やお墓、仏壇などを処分できる権利を持った人のことを「祭祀承継権」といいます。

遺骨は祭祀承継者でないと埋葬や移動することができません。まずは誰が祭祀承継者なのかを確認しておく必要があります。

2.粉骨業者を探し、依頼する

海洋散骨をするには、遺骨を一片が約2mm以下の粉末状にする必要があります。

体力的にも精神的にも根気のいる作業なので、自分で行う人はあまりいません。

粉骨業者を探して依頼します。

遺骨を郵送するのに抵抗がある場合には、訪問引取りを対応してもらえる業者を探す必要があります。

3. 粉骨した遺骨を保管する

粉骨が終わったら、海洋散骨までの期間は自分で粉末状にした遺骨を保管しておきます。

湿気を含んで遺骨が固まらないよう水溶性の紙袋などに入れ、粉末が飛び散らないようしっかり封をして保管しなければなりません。

4.骨壷や付属品を処分する

遺骨を取り出したあとの骨壺や付属品は、それぞれ適切な処分を行います。

・骨壺:記されている故人の名前がわからなくなる程度に、ハンマーなどで細かく砕きます。粉砕後は燃えないゴミとして廃棄します。

・骨箱:木材の骨箱はハンマーなどで粉砕し、可燃物として廃棄します。布が貼ってある場合は、粉砕後、分別して廃棄します。

・風呂敷:可燃物として廃棄します。

・位牌:宗派により処分の仕方が異なります。お寺などで確認しましょう。

5. 散骨する

海洋散骨を行う際は周囲に配慮し、節度を持って行わなければなりません。

散骨できる場所は、「散骨場として許可が得られている場所」や「漁業や観光に支障をきたさない海の沖合」などです。

トラブルにならないよう、専門業者に依頼する方が安心してお見送りできるはずです。

<自分で行うのが難しい2つの理由>

自分で海洋散骨を実施する際には、以下の点に注意しなければなりません。

●遺骨の粉骨は適切に行う

遺骨を粉骨する際には、以下の点に配慮します。

・遺骨は一片約2mm以下の粉末状に粉骨する

・六価クロムが含まれている場合、無害化処理を行う

目で見て遺骨だとわかる状態の遺骨を散骨した場合、死体遺棄罪に問われるおそれがあります。

また、遺骨の中には六価クロムという有害物質が含まれている場合があり、含まれているかどうかは、専門的な検査を受けなければわかりません。

遺骨は適切に粉末化をする必要があります。

●どこでも散骨できるわけではない

まず散骨したい場所が地域の条例に反していないか確認しなければなりません。

自治体ごとに条例で定められているところもあります。

また、法での規定はありませんが、以下のような場所での散骨は避けるべきです。

・水源地付近や生活用水として利用される河川、湖、沼など

・漁場、養殖場、防波堤など

・公園や住宅地・観光地や観光ルート

・近隣の住民に迷惑がかかる場所

海洋散骨のルールは明文化されているわけではないため、自分だけで判断するのは難しいものです。

海洋散骨のプロに依頼する方が安心して故人をお見送りできるはずです。

プロに依頼すれば、わからないことは相談でき、希望に沿ったプランで葬送できるでしょう。

遺族の気持ちに寄り添い、葬送の方法を提案してもらえる業者を探してみてください。

海洋散骨専門の業者の中には、粉骨後の手元供養までをカバーしたプランを用意しているところもあります。

遺骨の一部を手元に残しておく場合には、手元供養までまとめて依頼すれば遺骨の保管もスムーズです。

COMPASSでも、手元供養までをセットにした海洋散骨のプランをご提供しています。

海洋散骨専門「COMPASS」の特徴

COMPASSは「ご遺族の心に寄り添う」ご供養を最も大切にしています。

散骨にあたり、故人様を大切に想い丁寧に扱うことは当たり前のこと。

その上で、「これからを生きていくご遺族のみなさまがしっかりとご自身のお気持ちに向き合い、新たな1歩を踏み出せるようサポートしたい」というのが私たちの強い願いです。

散骨にあたっては事前に打ち合わせを行い、ご遺族の方がしっかりと悲しみに向き合い感謝を表現できるようお手伝いしております。ご遺族のみなさまのお気持ちやご要望を、ぜひお聞かせください。

またCOMPASSでは、手元供養のサービスもご用意しております。

お骨の一部をお手元に残すことで、ご遺族のみなさまのこれからの新たな1歩をお支えするためのものです。

散骨や手元供養をご検討の際には、「ご遺族の心に寄り添う」COMPASSに、ご相談くださいませ。